2009年6月4日木曜日

はじめに

このブログは、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科「立花ゼミ」所属の大学院生による「戦争遺跡研究班」の情報発信ページです。
研究の主旨は、以下の通りです。

戦争遺跡と戦争資料は、1.近代史研究・戦争遺跡考古学研究の資料、2.歴史教育や生涯学習の教材、3.平和学習の物証、語り部であると考えます。
そして、その研究の目的は、以下の通りです。
・戦争を身近に追体験することによって、戦争認識を深めさせる
・埋もれている戦争遺跡を掘り起こし、正しい歴史認識に迫る
・戦争遺跡から学んだことを語り合うことによって、戦争認識を深める
・平和を創造する道につながる、平和のメッセージを発信する
・戦争の歴史を学び、平和の大切さを考えたい
・戦争の時代を繰り返すことないように、戦争遺跡から学び、戦争の実態を知らせたい

研究班は、不定期に、全国各地の戦争遺跡や、それに関する物品を保存する資料館等を訪問し、その存在意義や、課題について検討し、このページにレポートをあげることで、世の中にメッセージを発信していきます。

それに先立って、まずは戦争遺跡についての簡単な定義と、世の中での戦争遺跡の保存運動、研究の状況を簡単にご紹介いたします。

<戦争遺跡の定義>
戦争遺跡(戦跡)とは、「近代日本の侵略戦争とその遂行過程で、戦闘や事件の加害・被害・反戦抵抗に関わって国内国外で形成され、かつ現在に残された構造物・遺構や跡地のこと」
※戦争遺跡保存全国ネットワーク編著『日本の戦争遺跡』から

War-Related-Sites、戦争関連の遺跡
日本の戦争遺跡とは、近代軍制が始まった明治初期から昭和前期のアジア太平洋戦争の終結までが時代の範囲である。さらに考古学的な遺跡以外に、地上文化財・建築物・土木構造物や歴史上の跡地までを含め、広く戦争遺跡と称する。
1894(明治27)~95年 日清戦争
1904(明治37)~05年 日露戦争
1914(大正3)~18年 第一次世界大戦
1931(昭和6)年 満州事変勃発、15年戦争へ
1937年 中国との全面戦争
1941年 アジア太平洋戦争開戦
1945年8月14日 御前会議でポツダム宣言受諾決議
1945年8月15日 終戦

<文化財としての戦争遺跡>
文化庁の近代遺跡区分:第九分野 政治、軍事に関する遺跡
指定文化財・登録文化財となった戦争遺跡は96件

<戦跡保存運動の歩み>
1960年代 原爆ドームの保存運動、戦時体験記記録運動(全国に広がる)
1977年 沖縄を考える会結成、5月「沖縄戦戦争遺跡・遺物の保存」を要請
1990年 「南風原陸軍病院」を戦争文化財として(町条例で)保護
1992年 1フィート運動会、「第32軍司令部壕の保存」を那覇市に要請
1994年 沖縄平和ネットワーク、「糸数壕の保存整備」を玉城村に要請
1995年 沖縄平和ネットワーク、「戦争遺跡・遺物の保存と活用」を沖縄県に要請
1997年 〃、「戦争遺跡保存と平和教育活用のための具体的調査決議」を県教育長へ送付
1997年7月 松代で「戦争遺跡保存全国ネットワーク」結成(22団体、100人余り)

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